あわない入れ歯とは

「入れ歯は 三人のしゅうとに仕えるより辛い」 は 本当?

あわない入れ歯
入れ歯人口はかなりの数にのぼります。
それに比例して「合わない入れ歯」と言う言葉も多く聞きます。
また、患者本人の感ずる、「いい」「悪い」にかかわらず、客観的にも不適合な義歯(入れ歯)が少なくありません。  
 ここで言う「合わない入れ歯」とか「噛めない入れ歯」とは、単に形が顎(アゴ)に合わない、噛めないという意味だけではありません。 
心理的、審美的、機能的に 気に入らないと言う意味です。
患者さん本人が気ずいている「不満な入れ歯」については何の説明もいらないでしょう。 
 痛い、噛めない、色が合わない、落ちる等、心身に具体的危害を加える入れ歯のことです。(直接的)主観としての「合わない入れ歯」と言えます。
では客観的に「合わない入れ歯」とはどんなモノでしょう。
 
次の話はある整骨院(歯科医院ではありません)を訪れた人のお話です。
実際にあった話で、「合う」「合わない」をよくあらわしています。

ある患者さんの入れ歯 
 私の知り合いに整骨院を開業している先生がいます。 
ある高齢の女性患者さんが、肩こりと腰痛を主訴に来院しました。
永年あちこちの病院や接骨院を訪れたが、一向に直らず首も回らないとのことで、先生が入れ歯について診ると、上下総義歯で、とても合っているとは思えないモノでした。
この先生は整骨医になる前に歯科技工をされていたので、義歯の知識を持ち合わせていたのです。 
でも患者さんは、その入れ歯がいたく気に入っていたのです。
その方が入れ歯を入れた当初、まわりの人から、その入れ歯の歯肉の色が患者に合っていると言われたからで、以来20数年間そのままだったそうです。
その間、思い起こせば入れ歯を入れた頃から身体の不調が始まったとのことです。
 総義歯ですから、本人の歯肉の色は唇などに隠れ、当然外側からほとんど見えません。 
先生は入れ歯の作り替えをアドバイスし、頭と顎を支える筋肉をマッサージして、一ケ月位で数十年間悩んできた肩こりが消えたそうです。
もちろん入れ歯は、信用のおける歯科医師を紹介して、作り直したのは言うまでもありません。

入れ歯と肩こり
 入れ歯と肩こりの因果関係を云々するつもりはありませんが、この患者さんは入れ歯の色については気に入っていました
 一般的にはこのようなケースが沢山あると思われます。 
本人は不都合を感じていない、しかし、多くのトラブルを抱えています。
入れ歯と全身状態の不調和について学問的問題もあります。 が、この例は本人が感じていないところで「合わない入れ歯」だったわけです。

合わない入れ歯の背景
 歯科や容貌に関係した仕事をしている人から見れば、当事者の歯科知識(ひらたく、デンタルIQということもある)の低さに驚くこともまれではありません。 
それらの義歯を作った歯科関係者の、歯科知識=デンタルIQの低さにも同様に驚かざるを得ません。
 こういった状況の背後にはいろいろの問題があり、一概に非難するわけにもいきませんが、身体や精神の状態に悪影響を及ぼすことを考えれば、見過ごすわけにはいかないと考えます
原因は歯科医の良識や、技術力の欠如が問題なのでしょうか?
この要因が大きな比重をしめていると思います。
それとも患者の知識や、経済状態(支払い能力)が低くてそうなるのでしょうか?
 基本的には患者は入れ歯について、大いなる無知であると言えます。
 (この言い方が 差別や誤解だと勘違いを生じないことを希望します。)
あるいは巷間(こうかん)問題になっている、保険医療制度の欠陥からくるものなのでしょうか?
「合わない入れ歯」の中には、多くの問題が隠れています。
 その結果として多くの患者さんが、泣いているという事実があります。 
 いくらかでもその解決に向かうことが、必要であると考えます。

原因探し
 「合わない入れ歯」を挟んで、悪者探しは永遠に答がでません。
なぜなら、それは、あなた(患者さん)の口の中にあって、非があると
すれば、作った側にその答を求めがちです。「歯医者が悪い!」と。
 
 では歯科医に非を求めればどうでしょう。偏屈な老人や、神経質な
女性に、はたまた条件の悪いアゴに、こんなに頑張って入れたのに、
文句を言われる筋合いじゃない、と一蹴(いっしゅう)されるでしょう。
「うるさい患者だ!」と。
このページは、必要に迫られ、欠陥の出所をいくつか挙げますが、決して悪者を探す旅ではありません
者さんの無知をあげたり、歯科医の良心や技術の無さをあげたり、厚生行政の遅れや不備を挙げても、一向に「合わない入れ歯」は無くなりません。
少しでも解決への判断材料を提供し、満足な入れ歯に近ずければと願っているだけです。
判断材料を提供するとはいえ、非常に難しい作業です。
 たとえば、専門家やそれを目指す人に、専門用語を使って説明するのは比較的に楽な作業です。
しかし、入れ歯が合わなかった人に、普通の言葉で説明することは至難の技です。
(このページはそれにチャレンジしようとしています。)
患者さんの側にたって、知りたいことを主題にこのページを書きました。
なぜなら、その他の問題点はあまりにも大きく、歯科医や歯科技工士、行政当局、政治家が多くの時間を割いて、ことの解決に当たっているが、その結果が現状であることを考えれば、患者さんの満足感との溝を埋めるのは容易ならざることが理解できるでしょう。
問題は、たとえ入れ歯の知識を増やしても、「合わない入れ歯」の現状は変わらないし、また容易に解決できるとは思えません。

患者さんの立場
 しかし、「合わない入れ歯」の中にはこのページを読み、多くの図を見ることによって、自衛できる部分もあると考えます。
 思い違いから不満に思っていることも沢山あります。
 多くのハウツウ本のように、大上段から「一読すればあなたにも解決出来る」とは言えないほど、入れ歯は多くの問題を抱えています。
 入れ歯を挟んで、歯科医とあなたの双方向で協議しなければ、解決は程遠いと考えます。
インフォ−ムドコンセント(説明と同意)の重要さが叫ばれる所以(ゆえん)です。
だが、いい入れ歯で感謝してるという人も沢山いるのも事実です。
 入れ歯で悩んでいるあなたが、後者になれるよう、渾身の力を込めてこの文は書かれました。是非そうなることを期待しています。
迫田綾子さんが出された本に「ナースが聞いた100人の泣き笑い入れ歯人生記」があります。「砂書房 1994/4/25第1版」 
実際入れ歯を入れている方の認識と、提供する側のギャップの深さに驚かされます。
 言葉を換えれば驚くに値しない、入れ歯が合わないことなんて常識ですよ、と思えるほど一般的な(ごく普通の--ごく日常的な)ことでもあります。 
どうしてこんなにも多くの人が悩んでいるのか。 どうして解決できないのか。 いらだつばかりです。
お互いの理解 これが重要です
 何回も繰り返しますが、行政、歯科医のモラル、技術力、患者の条件(疾患や顎の形等の不可避的条件と、患者の無知等の避けようと思えば避けられる条件)がハイレベルで解け合わないと解決は困難です。
指をくわえて見ているだけでは解決されないのです。お互いを深いレベルで理解し合い、解決の道を見いだすべきです。そのための努力の一助になるべく、このページのすみずみまで読んで頂ければ幸いです。

前書きが長くなりました 懲りずに 次も読んで下さい。

 

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