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義歯作りの前の審査と診断:下記の多くの審査項目は全て必要か


診断の必要性(非常に重要です) 

診断項目をもう少し詳しくみてみましょう

苦情は患者さんの希望もあります。以前の義歯(旧義歯)に希望がどの程度満たされたか、言い換えれば、満たされなかった部分がそのまま苦情になります。
そうならないために、歯科医は術前に細かいチェックをします。
そこで最初に挙げてもらった苦情や不満の解決のために、また希望への満足感を得るために診断、検査、術後観察があるわけです。あなたの悩みが、診断のどの項目に繋がっているか、注意深く読み進めて下さい。

義歯製作前のチェック

歯の形態、色調、大きさ、配列位置(人工歯の並らび方)、個人的な容貌への欲求等です。 歯の形、色、サイズについてみますと、多くの組み合わせがあり、その患者さん個人にもっとも適した組み合わせを選択します。たとえば、選択の際の一般的なケースとして、「女性で年齢が70歳、小柄で丸顔、色白、入れ歯歴20年ちかく、総入れ歯に関しては今回の製作で3回目」という場合です。以上のようなことがごく普通の人工歯選択基準でもあります。一般的答えを単純に表現しますと、前歯は丸型で年齢の割に白っぽい色、小さめの歯を使うことになります。並べ方は丸みを帯びた放物線状にします。入れ歯の噛み方にもなれていると思われますから、臼歯は幾分機能的に咀嚼効率のある歯にします。これに患者さんが「自然な感じに見えるように、多少の乱ぐい歯ふうにして」と希望があれば それに添うことになります。 ・・・といった具合に進められます。
 よく噛めない、落ちる、粘膜を噛む、疼痛がある、すぐ汚れる、臭いがする等が機能的な面からの苦情でしょう。
 これ等を解消する事こそ義歯の使命かと思います。しかし、いい入れ歯を作るのは、た易いことではありません。製作に関する理論背景は非常に深いものがあり、加えてテクニック上のコツと思えるものも沢山あります。これらがうまくかみ合って成功することになります。まず粘膜に適合しているか、人工歯の配列位置が適当かどうか。人工歯の噛み合わせ部分(咬合面)の形状は適しているか、顎の動き(顎運動)に調和しているかどうか、などいろいろの学術上のチェックポイントがあります。
 たとえば、{落ちる}に対しては、上顎義歯の維持に関する目安として、Watt は片手ではずすことが出来る入れ歯は中程度の維持力、何もしなくても落ちるのは全く維持力無し、両手で引っ張らないとはずれない場合が最も強い維持力であると述べている。
 何もしないのに落ちる場合は、型どりの不正確、適合精度の悪さなどがあります。
 {ホホやベロを噛む}に対しては、人工歯の配列位置が悪いと、よく粘膜や舌を噛むことになります。 鋭い山状の噛み合わせ面(咬合面)は時として顎の動きと調和しなく、入れ歯の転覆につながります。転覆とは外れることをさします。そしてよく噛めないことにつながります。
 粘膜に{疼痛}を訴える場合は、顎の粘膜が薄く骨に強く当たる場合や、唾液が少なくカサカサ擦れることも考えられます。技工術式上の寸法誤差もあります。
 {臭くなる}のも表面の研磨が不十分で、汚物が付着し易いことが考えられます。また重要なことですが、全身的疾患の場合もあり、優れた歯科医に診てもらうことの必要もあります。
 義歯1ヶを作るには膨大な知識、経費がかかります。しかし保健点数の枠が足枷(あしかせ)になって、限られた金額にしかなりません。保健で作ろうと、自由診療でつくろうと、いい入れ歯はいい、悪い入れ歯は悪いの一語に尽きるのです。義歯の善し悪しは装着直後に判断できるものもありますし、時間を経て現れる事柄もあります。コストパフオーマンスが問われます。また、患者さんの経済状態もおおきなファクターになります。
 苦情がでないように歯科医は、問診や視診を通じて患者さんにインフォームド・コンセントを行う(得る)べきです。これで苦情の大半は回避できるはずです。技術上の不備が無いのに苦情があるとすれば、この間のお互いの理解不足です。しかし、限られた時間内で患者さんに説明する困難や、患者さんの理解能力の無さ(誤解されないよう希望します)から、苦情すなわちトラブルが発生することになります。これ以外の苦情は技術力の不足に対するものでしょう。
(注)心身症、不安神経症などの心理的問題は技工技術の関与する部分では無いので省きます。
この部分でのトラブルは専門医の要請があって チーム診療の中で行われます。
(歯の色、形などに予想外のモノを要求したりする場合です)
 診断時の予備的検討として歯科医が頭脳的に、技術的に次のようなことを行っています。 問診は意識的に沢山すると、患者さんに多くの関連知識を与え、要望への選択肢が増えます。そこで、歯科医自身が細かい点まで拘束されることを避け、通常は「黙って座ればピタリと合う入れ歯」に持っていきがちです。そしてそのまま苦情につながることが多いのです。
 苦情がでないように歯科医は、問診や視診を通じて患者さんにインフォームド・コンセントを行う(得る)べきです。これで苦情の大半は回避できるはずです。ただ問診が多すぎると、しつこく聞かれたと思い、患者さんがかえって不快の念を持つこともあります。患者さんの義歯歴(知識)にもよります。したがって、患者の知的レベルや、義歯に対する熱意とも関連して、バランスよく醸成されるのが望ましいのです。経験のある歯科医の場合、患者さんが診療室に入ってくる動作や、会話時の口元を観て判断する事も可能です。
 患者さんの側から希望や悩みを訴え過ぎると、短時間診療を旨とする歯科医師にとってはうっとおしい限りです。新聞や健康雑誌の切り抜きを持ってきて、診断や治療方針に注文を付けるタイプです。新しいインプラント技法などが新聞に載ると、翌日の歯科医院にはゴマンと希望患者が殺到したりします。技術内容や経費、適応症例などを説明するだけで診療時間が過ぎることなど、双方にとってマイナス要因です。
 インフォームド・コンセントの重要さが指摘されながら、難しさを抱えているのが現状です。噛めない入れ歯の生まれる源流でもあります。
 一般に、先生の側から一方的視診、観察、判断による場合と、問診を加えて患者さんと双方向での判断、さらに患者さんの持ち寄る希望を取り入れた結果としての判断などいろいろのパターンがあるといえるでしょう。
何回も繰り返し書きますが、このあたりで歯科医師と患者が信頼関係を築けるか否か が今後の成否を分けることが多いのです。

診断は新規に義歯をつくる場合作り直しの場合で多少の違いがあります。次に項目として幾つかを挙げますがこれが全てではありません。 

既に入っている場合(旧義歯を元に診断し)

苦情の原因がどこにあるのかを探ります

不快感
 心因性疾患、人工物にたいする過敏症、つよい嘔吐反射
義歯の維持不良
 義歯そのものの欠陥
下顎、舌、口唇の異常運動、顎形態の異常
 義歯そのものの欠陥
義歯の安定不良
 下顎位不安定、習慣性偏心咬合、上下顎サイズのアンバランス
旧義歯床の疼痛など
 義歯そのものの欠陥
粘膜病変、唾液分泌機能低下、義歯床負担域粘膜の菲薄化
 下顎骨吸収によるオトガイ孔の位置、形状変化
義歯そのものの欠陥
 審美感の欠如
 人工歯の形、色合い、列び方

歯科医師の診断も大変なことがおわかり頂けましたでしょうか。
患者さんは その間を縫うように 質問をして 説明を聞いて 納得して・・??・・
インフォームド・コンセント(説明をして 同意を得る)の困難を感ぜずにはいられません。
上にあげた条件の内、実際の歯科技工を行う歯科技工士に、どれだけの情報が渡されるでしょうか?
診断時にそんなに時間を割けないという話はしました。 ソレと同じく時間を割いて情報を伝える困難は・・・・・
そんな中で 歯科技工士は患者さんの希望に添えるよう 頑張るのです。
中には希望や要望を知らずに作ることが なんと多いことか。
不良義歯の生まれる必然がここにあります。
著者は医院からデジタル写真などを頂いて 参考にしています。
時に 患者さんのお若い時の写真なども 拝借することがあって 希望事項と相まって
いい結果に結びつくことがあります。旧義歯の装着写真や 試適操作時の写真などは
とても参考になります。 歯の大きさ、色、並べる角度など機能性とは少し離れますが
審美観等をかもし出すには 参考になる事が多いです。


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