以下のメールはおじいちゃんを亡くされた ことを書いて送って頂いたものです。
管理者との 二往復分・・・勿論 別掲載されることなど 考えておられず
普通に書かれたモノですが・・・病院でのおじいちゃんを看取った内容が
何かの参考になればと・・・ 了解を頂いて掲載させて頂きました。

2000.2.9 tamaさんwrote;


 突然 のメール失礼します。(一部 略)

 実は先々週の水曜に同居している祖父が入院し、先週の水曜にそのまま他界し、
7日にお葬式がやっと終わったところなのです。 
 祖父は89才で、秋頃から少し体調がよくなかったのですが、今回インフルエンザの
高熱から肺炎を併発してしまいました。 
でも、入院の前の日まで食事もトイレも入浴も1人で全部していたので、
入院してからもすぐ良くなるだろうって思ってたので、本当にショックでした。
 100歳までは余裕で生きるって亡くなる朝まで信じてたから・・・。 
でも、仕方ないな、っていう気持ちの方が今は強いかな?複雑・・・。

絶対にJ.Skyさん
(←管理者ですぅ)にしようと思ってた話があるんだー。
うちのおじいさんね、結構身だしなみには気を付ける人だったのね。 
入浴は毎日してたし、ひげも自分で剃るし。
だから亡くなる日くらいまでずっとベットの上でひげ剃ってたらしいのね。  
で、もちろん(!?)総入歯なんだけど、入院して半分意識が無いし、
点滴だけしかだめなのに、絶対に入歯外そうとしなかったの!
酸素マスクしてるから、邪魔だろうからって外そうとするとすっごく怒ったんだって。
でも入歯って、支える筋肉の力が要るのだよね?  亡くなる直前に、さすがに
本当にしんどいのか、自分から「外してくれ」って言ったらしい。
それからは ほとんど意識なくなったらしいけど。
 この話は亡くなってから聞いて「食事できないのに入歯してても仕方ないのにね
!」って大笑いしたけど、やっぱり身だしなみに気をつけてたんだろうね。
今では悲しいお話です。

 書きながらいろいろ思い出して来ました。意外に悲しんでないなって思ってたけど、
でもやっぱり悲しいに決まってるよね。 どこかで気持ちにロックしてるのかな?
 短い期間にいろんなこと考えて、頭がパンクしてるのかな?
身近な人の死ははじめてなんです。
母方の祖父は5年前に亡くしましたが1年以上寝たきりになっていたし、
一緒には住んでいなかったので、悲しいっていう気持ちも少なかったみたい。
入棺もお骨も見るのはじめてで、何もかもが衝撃的でした・・・。
でも、私は最後に立ち会うことができたんだけど、本当に穏やかな、いつ息が途絶え
たのかもわからないような静かな死でした・・・。 眠るような・・・。
ではまた・・・。

2000.2.9 管理者wrote;

拝復
  おじいさまを亡くされて 辛い今 入れ歯の話題を頂き有り難う。
 少しは 落ち着いた?
 突然のご不幸だったようで・・・ご愁傷さまです。 m(__)m
 身近な方を亡くすのは辛いですよね。
 
  入れ歯のお話 「総義歯のページ」の中で書いてもいいですか?
 とっても重要な事柄が含まれているので〜〜〜
読んでくれた誰かに 少しでも参考になるかと・・・
 QOLといって、人生の終末期に個人が尊厳を持って生きる。
 クオリティ オブ ライフ// 生活の質 と言うことです。 
 ご病気をされた方が終末医療の中で、元気だったころと変わらない
質の高い生活を 送る/送りたい/送らせてあげる

 おじいちゃんのダンディズムをつらぬく 生き様は素晴らしいです。
 義歯は食餌(事)のためだけではありません、審美(秘では無く)性〔容貌〕や
 発音にも関係しています。89歳でかくしゃく としておられた様子。
 ベッドで もし 入れ歯をはずすと より一層老けて見えます。
 それが イヤだったんでしょうね。 病院でもQOLや終末医療に
 関心の薄い方々は すぐに入れ歯をハズさせたりします。
 患者さんをヒトとして看なくなり 時としてモノとしか観ないからです。
(介護者の方からの理由もあります)
 筋力や意識が弱
って誤飲事故や、義歯清掃の不備から、衛生上の問題もあります。
 小さな入れ歯を喉に詰まらせたり、付着した食渣が肺に入ったりして肺炎を誘発するなど・・・
 にもかかわらず
 毅然としたおじいちゃんの態度には 素晴らしいモノを感じます。
すこしでも家族に元気そうに見えるように 気も遣われたかもネ (^-^)
 そんな おじいちゃんを愛おしむ tamaさんも 素晴らしいですよ。

  ボクの母は55歳で亡くなりました。
 生前ボクが入れ歯を作ってあげました。
抗ガン剤治療で気分が悪いと嘆いていました
 投薬などで口の中が乾いて 辛そうでした。 (参考:口腔乾燥症はここ
 病院では患者さんが亡くなると ハズしていた入れ歯を装着します・・
入れ歯が無いと「含み綿」を入れて 頬をふっくらさせますね。
 死化粧と同じく 口周りも生前と同じくみえるように です。
 お骨拾いのときに 陶歯(とうし:と言って瀬戸物の歯 )が散らばっていました。
高温でも融けないので、あちらこちらに飛散していて、強く印象に残っています。

 tamaさんも衝撃的な経験の数々をしましたが 時間と共に
 記憶も薄らぎます。 元気だった頃のおじいちゃんを思いだして
 良い想い出を強く意識し、晴れやかに過ごしましょう。

 (^O^)ははは 暗くしているのは他ならぬ このメールだったりして。
  ヒトは 自分より暗い境遇の人の話を聞くと 自分が救われた
 気になることが ありますよね。
チョットした鬱から脱却するきっかけになります。
 どうぞ おじいちゃんの冥福を祈りつつ、素敵な日々を送られますよう〜
 (^.^)/~~
良いお話を有り難うございました。

2000.2.10 tamaさんwrote;

さっそくにメールありがとうね。
すーっごくすーっごく嬉しかったので、私もさっそくお礼のメール書いてます。

おじいさんの何気ない話をあんな風に受けとめてくれて嬉しかった。
あの話はね、どちらかというと「じいさん頑固で」っていう話だったんだよね。
理解がなかったのは私達だったね・・・。
お医者さんは良くしてくれて、何も言わなかったと思うよ。
でも、入れ歯ひとつであれだけの意味があるなんて、すごくビックリしたよ。
あの お話はきっと家族に話したら喜ぶと思うので、メール見せますね。(^.^)>

入院でのことはね、いろんなエピソードがあるんだ。一週間という短い期間だったけどね。
何より体を拭いてもらうのが一番嬉しそうだったとか、看護婦さんによって好き
嫌いがあったとか。←これは、看護婦さんによって声をかけてくれたり、
ちょっと粗雑に扱ったりって 個人差がかなりあったらしいのね。
いくらしんどくて意識半分ないと言ってもそれはちゃんとわかるらしくって、
きちんと対応してくれる人は好きだったらしいし、横柄な人にはプンってしてたらしい。

 一週間の中で一日だけ大暴れした日があるんだ。 
私は居合せなかったけど、何が原因かというと、酸素マスクがずれるので
テープで固定しようと看護婦さんがペッと貼ったらしいのね。 
それが気に入らなかったらしく、外して、また貼られてってしてたらしい。
顔にテープ貼られたらやっぱり気持ち悪いし痛いよね。それに貼り方もあるよね。
周りで見ていても「え?」って思ったって言ってたから。
いくら歳とってても、熱でうなされてても、きちんと人間なんだから・・・。
もちろんみんながみんな そんな人ではなかったらしいけど。

 主治医の先生もきちんと説明して丁寧に診察してくれたし。
1つとてもさりげないことで、ひょっとして当たり前のことかもしれないんだけど、
感動したことがあるの。
聴診器(字あってる?)で心音とかを診る時に、自分の手のひらに当ててから胸
に当てたのね。 見てて「何してるんだろう?」って思ってたけど、器具って
冷たいから、いきなりそれを裸の体に当てるんじゃなく、自分の体温で少し暖め
てから使ったんだろうね。 
ほんの一瞬の出来事だったんだけど、すごく感激したんだ。 
この先生はきちんと扱ってくれてるって・・・。
 
心臓が止まってからも30分弱 ずっと心臓マッサージしてくれて、見てるほう
が辛かったけど、でもあれだけしてもらったら、もう十分って思った。
頑固でわがままなじいさんの担当をしてくれて、最後まできちんとしてもらえて
よかったって思った。 やっぱり医療とかって信頼関係って大きいよね。

話を少し変えますが、おじいさんが亡くなって、みんなよかったんじゃないの?
って言ってます。 変な意味じゃなく、寝たきりでオムツで自分で体の自由が
利かなくなってまで生きるなんて、あのプライドの高い人にはきっと耐えられ
なかっただろうから、という意味で。
入院の際に「もし回復しても脳の機能に障害は残る可能性があります」って言わ
れたから。 最悪の場合延命治療するか、というのも「しないで」と決めたし。
だから、きっとあの亡くなり方はよかったって思ってます。

もう1人の祖父が亡くなる際の話なんですが、1年くらい自宅で寝たきりで、そ
れでも最後は入院して、そこで亡くなりました。 最後には間に合わなかったん
だけど、病院には行ったんです。 でも、そこはそういう「最後」の人が入院する
場所だったらしいの。 だから、おじいさんの病室に行きつくまでにみんな同じ
ような顔をしていて、生きているのかわからないような人達がたくさんいた・・・。
あの姿はかなりショックでした。 
人は最後こんな風になって 死んでいくのかって・・・。
おじいさんも そうした1人でした。顔に個性なんてなく、誰が誰かわからない・・・。

 入れ歯の話に戻りますが、入れ歯を外してからのおじいさんは別人のように弱々
しく見えました。 前のおじいさんの病院で見たご老人達を同じような顔に・・。
亡くなる数時間前にも 口をパクパクさせて何か言おうとしてましたが、もう声
にはならず、何を言いたかったのかもわかりません。 でも、その前(入れ歯して
る時)に私に言った最後の言葉は
「もうよくなってきてるから、だいじょうぶ」
・・と。 きっと子供の頃以来触ったこともない手を握ってたので ビックリしたのかな?

だらだらと書きましたが、入れ歯のお話の参考になればいいんですが。 (^_^;)
>  おじいちゃんの態度には 素晴らしいモノを感じます。
そんなふうに言ってくださって、きっと祖父も喜んでいることと思います。
ありがとうございます。

いろいろ思ってることを書けて、聞いてもらえてよかったです。
読むほうは大変かもしれないけど☆ ごめんなさいねm(._.)m

tamaさん どうもありがとう。
2000.2.11

管理者 / 何かの参考になればと、tama様の了解を得て掲載しました。 m(_ _)m

編集の責任は管理者にあります。

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